子どもに読んであげたいこの一冊~支援員お薦めの本~(およそ小学校高学年)

  タイトル・著者・出版者 支援員コメント
三コ 「三コ」
作・齋藤隆介 画・滝平二郎
(福音館書店)
秋田の平野の子、大男の三コはハゲ山に木を植えた。それが育った山が火事になり、三コは燃え広がる山にかぶさって焼け死んだ。絵の迫力が感動を大きくしています。
じごくのそうべえ 「じごくのそうべえ」
「桂米朝上方落語地獄八景より」
作/絵・田島征彦
(童心社)
地獄に落ちたそうべいが生き返るまでの話。出てくるものは赤鬼・青鬼・閻魔大王・奪衣婆・亡者など。絵と関西弁がスケ-ルを大きくしてくれます。
ともだちのしるしだよ 「ともだちのしるしだよ」
作 カレン・リン・ウイリアムズ
  カ-ドラ・モハメッド
絵 ダ-ク・チャ-カ
訳 小林葵
(岩崎書店)
難民キャンプの救援物資の中から、サンダルを片方ずつみつけたことで出会ったリナとフェローザ。一足のサンダルが二人の「ともだちのしるし」となる友情物語。
ビロ-ドのうさぎ 「ビロ-ドのうさぎ」
原作 マ-ジェリイ・wビアンコ
(ブロンズ新社)
本物になりたかったビロ-ドのうさぎ。本物のように遊んでくれた子どもは重い病気にかかり、その菌のために燃やされそうになってしまいます。さてビロ-ドのうさぎの運命は?
ふつうに学校にいくふつうの日 「ふつうに学校にいくふつうの日」
文 コリン・マクノ-トン
絵 きたむらさとし
訳 柴田元幸
(小峰書店)
ふつうに学校に行くふつうの日、ふつうの男の子はふつうに学校に出かけた。ところがふつうの教室でふつうでないことがおこる。ふつうの男の子の心に変化が起きた一日の物語。ふつうでなくなる場面の転換、リズミカルな言葉、絵が楽しさを増してくれる。
やまたのおろち 「やまたのおろち」
「日本の神話全六巻より第三巻」
文・舟崎克彦 絵・赤羽末吉
(あかね書房)
古典の中で生き生きと語り継がれてきた日本の神話を、作家と画家が制作した力作。六巻の中の第三巻。出雲の国に追われた須佐之男の命は、やまたのおろちのいけにえにされようとした櫛稲田姫を助けた物語。
よみがえれ、えりもの森 「よみがえれ、えりもの森」
文・本木洋子 絵・高田三郎
(新日本出版社)
北海道、えりも町の百人浜の昆布は宝であった。漁師が増え、浜近くの森の木は切り倒される。山が死ねば海が死ぬ。昆布漁が出来なくなって気付いた人々が、50年かけて森を造り、その恵みが海に注ぎ、魚や昆布が戻るまでの漁師たちの努力の実話。
ヤク-バとライオン 1 勇気 「ヤクーバとライオン 1 勇気」
作 デイエリ-・デデュ-
訳 柳田邦男
(講談社)
アフリカの奥地に住む少年ヤク-バ。一人前の戦士として認められるため、ライオンをしとめに山へ行き、弱ったライオンに出会う。そのライオンにつきつけられた二つの道。さてヤク-バの選んだ道は?
ヤク-バとライオン 2 信頼 「ヤクーバとライオン 2 信頼」
作 デイエリ-・デデュ-
訳 柳田邦男
(講談社)
飢餓の中、群れを守るライオンと家畜を守るヤク-バ。お互いが生きるために戦わなければならなかった。ライオンと人間との間に結ばれた信頼の物語。
あきたの昔っこ 「あきたの昔っこ」
文・語り あきた民話の会
文字・絵 野崎文隆
(秋田魁新報社)
秋田県内に語り伝えられている伝統行事の話や、笑いがこぼれる昔話など11話が秋田弁で書かれている。躍動的な絵も魅力。共通語で書かれたあらすじや、語られている地方や語り部に触れた一口メモもある。
アンジュール 「アンジュール」
作/絵 ガブリエル・バンサン
(BL出版)
一匹の犬が自動車から棄てられました。必死に追い、飼い主のにおいを探す犬。置き去りにされた怒りは何に向けられたでしょうか?そして最後は?1行の文もない、鉛筆デッサンで描かれた絵本。物語は読み手が作り上げていきます。
いつかどんぐりの木が 「いつかどんぐりの木が」
作 イヴ・バンティング
絵 ロナルド・ハイムラ-
訳 はしもとひろみ
(岩崎書店)
みんなに愛されている古い大きなどんぐりの木。ある日、木が枯れ始めます。家族・町の人たちは木を助けようと努力を重ねますが・・・。環境問題を問いかける話。「自分に出来ることは?」と考えて行動する姿が描かれています。
学校やすんで とうさんと 「学校やすんで とうさんと」
作・絵 梅田俊作/佳子
(岩崎書店)
ぼくはゲ-ム機がほしくてほしくて、家の台所にあった1万円で買ってしまいました。すぐとうさんに見つかりました。次の日、とうさんは会社を休みました。ぼくも学校を休まされました。とうさんはぼくと庭の草取りをはじめました。
空城の計 「空城の計」
文・唐亜明(とうあめい) 絵・宇大武(うだぶ)
(岩波書店)
今から1800年前、蜀の国の孔明は次から次へと敵を打ち破った。しかし、20万もの大軍を率いてやってくる魏の司馬懿(しばい)にはとてもかなわない。そこで孔明はいかにして敵をあざむくか思案を重ねた。さて、勝利へと導くことができただろうか。他に三国志絵本として「七たび孟獲をとらえる」「十万本の矢」があります。
水仙月の四日 「水仙月の四日」
文・宮澤賢治 絵・伊勢英子
(偕成社)
水仙の咲く4月に雪童子と赤い毛布をかぶった子供が雪山で出会った。そこに恐ろしい雪婆んごがあらわれ、子供の命をうばおうとするが、雪童子に見逃してもらった。しかし助けられた子供は雪童子の存在を全く知らなかった。
つなみ 「つなみ」
作・田畑ヨシ 監修・山崎友子
(産経新聞出版)
大正14(1925)年、宮古市田老地区生まれの田畑ヨシさん。8才の時、昭和三陸大津波に遭い母親を亡くしました。記憶を閉じ込めていましたが、お孫さんが近くの町に引っ越したのを機に、紙芝居「つなみ」を創作しました。これまで30年以上も語り継ぐ活動をつづけています。絵本にしました。
月 人 石 「月 人 石」
作・乾 千恵 文・谷川俊太郎
写真・川島敏生
(福音館書店)
こころのとびらをあけてごらん。扉の写真と扉一文字で始まります。写真と一文字が次々と続きます。文字にひそむ人の心を思い、言葉に興味もわいてきます。
雪女 「雪女」
作・小泉八雲 絵・伊勢英子
訳・平井呈一
(偕成社)
木こりの巳之吉は、猛吹雪を避けて入った小屋で、白い美しい女を見た。翌年、巳之吉はお雪という女と夫婦になり10人の子どもも生まれて暮らしていた。ある晩、「言ってはならぬ」と女に言われた小屋での話をしてしまう。八雲の怪談の一つ。
ひろしまのピカ 「ひろしまのピカ」
文・絵 丸木俊
(小峰書店)
原子爆弾(げんしばくだん)がおとされたのは、家族で朝ごはんを食べているときでした。 おそろしい光、そしてせまってくる炎。7さいのみいちゃんは、おはしを握ったまま必死に逃げます。そのとき見た光景は・・・。絵が原爆の悲惨さを語っています。
ファーブル昆虫記の虫たち① 「ファーブル昆虫記の虫たち①」
絵・文 熊田千佳慕(ちかぼ)
(小学館)
フランスの「ファーブル友の会」会長から『プチ・ファーブル』と激賞された熊田千佳慕の昆虫と野の花の世界。繊細な描写と色彩に圧倒される。
シリーズ①~⑤がある。
玉井(たまのい) 海幸彦と山幸彦 「玉井(たまのい) 海幸彦と山幸彦」
文・片山清司 絵・白石皓大
(BL出版)
海で魚をつるのが得意な海幸彦と山で狩りをするのが得意な山幸彦。よく知られている神話が能の世界でもとりあげられました。そのお話の本です。
能の絵本シリーズ5冊があります。
魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園 「魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園」
絵・文 C.V.オールズバーグ
訳 村上春樹
(あすなろ書房)
フリッツはミス・へスターの愛犬。少年アランは散歩を頼まれたが、犬を入れてはいけない庭にフリッツは入ってしまう。庭の主人の魔術師に犬をアヒルに変えたと言われたアランは?・・・。モノトーンの絵が、物語の世界を広げている。
栄光への大飛行 「栄光への大飛行」
作 アリス&アーティン・プロヴェンセン
訳 今江祥智
(BL出版)
『空を飛びたい』という夢をあきらめず、失敗をくり返しながらも飛行機の開発に挑戦し続けた、ルイ・ブレリオ(1872~1936)の物語。
そのこ 「そのこ」
詩・谷川俊太郎 絵・塚本やすし
(昌文社)
日本の子どもたちが遊んだり学校へ行っている時、朝から晩まで働いている子どもたちがいます。そのこたちがつみとったカカオ豆で作ったチョコレート・・・。
その現状を心にひびくことばでつづっています。
その手に1本の苗木を マータイさんのものがたり 「その手に1本の苗木を マータイさんのものがたり」
作 クレア・A・ニヴォラ 訳 柳田邦男
(評論社)
アフリカ ケニアの環境保護運動家であり、ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんの伝記。母国ケニアの国土保全、農家の自立支援などに力をつくし、その精神は今も受け継がれています。
みずうみにきえた村 「みずうみにきえた村」
文 ジェーン・ヨーレン
絵 バーバラ・クーニー 訳 掛川恭子
(ほるぷ出版)
小さな町や村が水の底にしずみ、クアビン貯水池はできた。自然、家々、学校、教会~人間が生きていた証~。消えていく様を、絵の力が訴えている。
わたしのとくべつな場所 「わたしのとくべつな場所」
文 パトリシア・マキサック
絵 ジェリー・ピンクニー 訳 藤原宏之
(新日本出版社)
パトリシアが初めて一人で出かけるどこよりも好きな『あの場所』。でもその楽しさはバスで、公園で、ホテルで傷ついていきます。『あの場所』とは? 人種偏見や自由について考えさせられる一冊です。
うみぼうず 「うみぼうず」
作・杉山 亮 絵・軽部武宏
(ポプラ社)
ニシンがとれず飢えに苦しんでいた時、漁師たちは「ローソク岩より先に舟をだすな」という掟をやぶります。そこでは何が起こったでしょうか。同じく掟をやぶったおじいさんと男の子の舟は・・・。
カエサルくんと本のおはなし 「カエサルくんと本のおはなし」
文・いけがみしゅんいち
絵・せきぐちよしみ
(福音館書店)
巻物から今のような本の形を考えたのは、ローマ時代の将軍カエサルでした。紙は?印刷は?・・・。詳しいことはカエサルくんが話してくれます。
風をつかまえたウィリアム 「風をつかまえたウィリアム」
文・ウィリアム・カムクワンバと
  ブライアン・ミーラー
絵・エリザベス・ズーノン
訳・さくまゆみこ
(さ・え・ら書房)
風をつかまえる?どうやって?アフリカのマラウィに暮らすウィリアム少年は「木より高くそびえる羽のはえた機械」の写真を図書館で見つけます。その出会いはどんな魔法を生んでいくのでしょう。
希望の牧場 「希望の牧場」
作・森 絵都 絵・吉田尚令
(岩崎書店)
原発事故で出された国の決定-「立ち入り禁止区域」「殺処分」。同意せず、オレは牧場で牛の世話を続けた。牛飼いだから。それはいつしか「希望の牧場」とよばれるようになったが・・・。
サラガのバオバブ 「サラガのバオバブ」
文・よねやまひろこ
絵・エドモンド・オパレ
(新日本出版社)
奴隷狩りが西アフリカの町を襲いました。一瞬にして父や母と離された少年ダウダは、バオバブの木の下の奴隷市場で遠いアメリカに売られてしまいます。「自由になれるのは死だけ」の奴隷生活。物語は奴隷貿易の歴史を伝えています。
ながいかみのラプンツェル 「ながいかみのラプンツェル」
グリム童話
絵・フェリクス・ホフマン
訳・せたていじ
(福音館書店)
生まれてすぐ魔女にさらわれ、高い塔に閉じ込められたラプンツェル。その美しい歌声に魅了された王子は・・・。映画「塔の上のラプンツェル」とは違った魅力があります。
ふき 「ふき」
作・斎藤隆介 絵・滝平二郎
(岩崎書店)
秋田県の花 蕗の茎にまつわる哀しい物語。秋田の自然の厳しさ、人々の力強さ、心の優しさを表現した、斎藤隆介・滝平二郎のコンビが作り上げた美しい絵本です。
白神山地 ブナ林の四季 「白神山地 ブナ林の四季」
写真・文・府瀬川秀司(そうえん社)
自然の中で、四季のうつりかわりを一度に体験することは出来ません。そんな時に開いて楽しめるのが写真集です。白神山地ブナ林のいとなみが、雄大で美しく映されています。
リディアのガーデニング 「リディアのガーデニング」
文・サラ・スチュワート
絵・ディビット・スモール
訳・福本友美子
(アスラン書房)
リディアはパパの仕事が見つかるまで、パン屋のおじさんのところで暮らすことになりました。 リディアはお店を花でいっぱいにしてお客さんに喜ばれます。でも、おじさんはにこりともしません。おじさんを笑顔にさせたいリディアが思いついたことは何でしょうか。